現実の犯罪者の言葉と、ヒーローの終焉
「イイジャン♪ イイジャン♪ スゲージャン♪♪」
「俺、参上!!」
「俺は最初から最後までクライマックスだぜ!!!」
ということで、佐和です。
どーも。
上の言葉が何かわからない人は、日曜日に早起きして、八時から「仮面ライダー電王」を見てくれればわかります。
いまTVでやっている仮面ライダーは、平成ライダーと言われており、藤岡弘(現在は改名して、藤岡弘、)が演じていた仮面ライダー1号などの昔の仮面ライダーとは区別されています。それは旧シリーズでは全体の世界観が共通であったのに、平成ライダーでは一作品、一作品の世界観が繋がっていないからとも言われています。つまり、仮面ライダー1号や仮面ライダーアマゾンが登場する世界は共通ということです。
平成ライダーと旧シリーズの間には、番組が作製されなかった時間的な溝があります。
このことは東映スーパー戦隊シリーズのような戦隊モノと大きく異なる点です。
ちなみに、戦隊モノとは、原色の全身タイツを着た5人くらいのヒーロー、ヒロインが巨大ロボットに乗ったりして、戦う戦隊モノとしておきます。いま、日曜の朝、七時半からやっている番組のようなものです。
子供向け特撮番組は、バンダイなどの玩具メーカーが、いたいけな子供の物欲を刺激し、世の父母に無理やり玩具を買わせ、金を使わせるために、製作されている番組です。その証拠に東映スーパー戦隊シリーズはどんなに視聴率がとれなくても、75年からずっと続いています。
そのことを考えると、何故、仮面ライダーが一時、製作が中断したのでしょうか?
ところで、仮面ライダーシリーズが中断した時期は、佐和が子供の頃なんです。
記憶があやふやですが、小学校の入学前後だったと思います。
仮面ライダーシリーズがずっと続くと思っていたのに、続編がないことに子供心に衝撃を受けたことを今でも覚えています。
そのことがずっと、心に残っていて、佐和は成長しました。
現実とフィクションの違いは、もちろんわかっていましたが、それでも、仮面ライダーはこの世界を守るために戦っているはずだ、と心の片隅で思っていました。傷つきながらも、一人孤独に、みんなの幸福のために戦っているんだ、と思っていました。
つまり、この仮面ライダーシリーズが佐和の人格形成に多大なる影響がありました。
話を戻します。
そんな仮面ライダーの休止に至った理由のひとつを知ったのは、高校生くらいだったと思います。もちろん、それくらいの年齢になると、多くの男子がそうであるように、子供向けの特撮番組は見なくなり、音楽やファッションに興味を持ち始めます。佐和もそうでした。
だから、仮面ライダーが何故、終わったかなんて、あまり興味はなかったわけです。少なくとも、そのときは興味を持たず、後々まで、佐和の人生に爪痕を残すとは思いませんでした。
仮面ライダーが休止した理由。
それはある男が「改造人間」という言葉を発したからでした。
ある男とは宮崎勤です。
宮崎勤とは連続幼女誘拐殺人事件を起こした人間です。
誘拐し、幼い男女4人を殺した犯人です。
(余談ですが、この亡くなられた幼い子供は、当時の佐和と同じくらいの年齢です)
彼は幼女殺したとき「テレビで見た改造人間の、改造手術をした」と取調べで述べていたのです。
そのために、仮面ライダーは放送休止になったのです。
もちろん、休止はそれだけが理由ではないと思います。
けれども、宮崎勤ですよ。
最悪の殺人者の一人です。
そんな人間に、
佐和の子供の頃のヒーローは敗れたのです。
いつも孤独に戦って、
みんなの幸福を守っていた
ヒーローが敗れたのです。
たった一言。
「改造人間」
現実の、
その言葉に、敗れたんです。
ちなみに、新しい平成ライダーでは、
一度も「改造人間」という言葉は出てきません。
佐和は、もうすぐ就職して、働く予定です。
佐和の中では、働くことは、大人になるということです。
しかし、働いて、大人になって、どうするの?
という思いもあります。
きっと、それは佐和の中に、大人というもののモデルがないからです。
男の子なら、一度はTVの中のヒーローに憧れます。
孤独に戦い、正しいことを行うヒーローは、
理想の大人のモデルだと思います。
その原型が壊された佐和は一体、どうやって大人になればいいのでしょう?
なーんて、考えてしまいます。
まぁ、そんなこと言ったって、
普通に就職して、普通に死んでいくんだと思うんですけどね。
とりあえず、いまは彼女が欲しいんですが…………。